パーキンソン病センターこのページを印刷する - パーキンソン病センター

パーキンソン病センター開設にあたり

センター長 脳神経内科診療部長 土居 充(紹介写真)

センター長
統括診療部長

土居 充

この度、当院に「パーキンソン病センター」を中国地方ではじめて設立いたしました。パーキンソン病の方が、地域の中で安心して治療に取り組める環境を作ってまいります。
現代の高齢化や生活環境の変化により、パーキンソン病をわずらう方の数は増加しており、60歳以上の方の100人に1人がパーキンソン病であるといわれています。パーキンソン病の患者の方の症状は一人ひとり異なり、症状が現れる年齢、症状の出方によってその後の経過も異なります。また、ゆっくりと進行し、20年、30年と長い経過をたどる病気でもあります。
つまり、それだけ毎日の生活の積み重ねが大切になるということです。

この20年でお薬を使った治療がずいぶんすすみ、また、お薬以外の治療も開発され、それぞれの症状、生活状況にあわせた治療選択ができるようになりました。お薬には、飲むくすり(薬剤)、食べるくすり(食事)、うごくくすり(リハビリ)、支えるくすり(家族や周りの方)の4つがあり、これらが治療のキーになります。また、進行とともに患者さんによっては脳深部刺激療法や経腸療法などの治療が有効なことがあります。

2016年より当院では「パーキンソン病短期集中リハビリテーション入院」を行なってきました。入院リハビリにより多くの患者さんの症状が改善し、喜びの声をいただきました。「パーキンソン病センター」では、今後の経過を考えながら、現在の生活で困っておられることを改善するための手助けを多職種がかかわり考えてまいります。それぞれの時期に応じた症状を軽くする方法、進行を出来るだけ遅らせる日常生活の過ごし方などを患者さんとご一緒に検討します。新しい治療にも対応しながら、食事・リハビリテーションを大事にした治療を多職種にて行ってまいります。

当院には、多数の脳神経内科医師、経験豊富なセラピスト(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)、毎年育成している院内認定看護師(PDナース)、薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカー(地域医療連携室)、臨床工学技士、歯科医などが在籍しております。多面的に多職種が患者さんにかかわり、令和の時代に応じた診療を行ってまいります。


副センター長 看護師長 上田 素子(紹介写真)

副センター長
看護師長

上田 素子

「ずっとあなたをチームで支えます」をスローガンに、この度鳥取医療センターパーキンソン病センターを開設いたしました。
 当院では、2016年より『パーキンソン病短期集中リハビリテーション入院』を行っており、利用患者さんが年々増えています。また近年では、関東方面からも患者さんが来られ、パーキンソン病リハビリ入院の需要の高さを実感しています。

新たに設置するパーキンソン病センターでは、リハビリ入院に加え新たな取り組みとして、『パーキンソン病相談窓口』を開設いたします。本窓口では、パーキンソン病について患者さん・ご家族の疑問や不安等を気軽に話せる場として、ご相談の内容により、専門的知識を有する医師、院内認定パーキンソン病看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーの多職種で対応いたします。患者さんがご納得、安心して治療や療養に望めるようにチームで支援していきます。また、院内認定パーキンソン病看護師によるPD看護外来を新設し、外来から入院、退院後も安心して在宅生活が送れるように症状や生活に合わせた指導、助言を行ってまいります。

私たちは、地域の医療関係者の方々(在宅医療・介護を支える方たち)と協働して患者さんとご家族の生活を支えていくことが重要であると考えています。現在行っている『退院前・後訪問』を今後も継続して行い、訪問看護師等との連携を強化していきます。さらに医療・福祉関係者や地域住民の方を対象に出前講座やセミナー等を行い、パーキンソン病に関する治療、看護、介護等についての理解を深めていただく活動を行って参りたいと思っています。

地域の皆さまとともにパーキンソン病患者さんやご家族が安心して一日でも長く住み慣れた地域で生活ができるように支援していきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。