パーキンソン病センターこのページを印刷する - パーキンソン病センター

チーム医療:リハビリテーション部

リハビリテーション

リハビリテーションのスタッフイラスト

パーキンソン病になると体が動きにくくなったり、声が出しにくくなったりします。また、バランスの悪化により転倒する危険性も非常に高まります。しかし、リハビリテーションを行う事で、体の動きを良い状態に保つことが可能となり、歩行や動作時のバランスの改善を図り、転倒のリスクを軽減します。

また、嚥下機能の低下により、誤嚥する可能性が高まる事についても、嚥下状態の改善に向けたトレーニングを行い、また食形態の調整を図り、誤嚥を予防します。
多職種のスタッフとともに患者さんの状態に適した、トレーニングをすることで症状を軽減し、より快適な生活が送れるように支援します。

当院の特徴

  1. 比較的症状の軽い段階からそれぞれの状態や症状に合わせ、多職種でリハビリテーションを提供します。
  2. パーキンソン病に特化したプログラムであるLSVT BIG®(有資格者5名)、LSVT LOUD®(有資格者3名)を中心にリハビリを実施しております。
  3. 必要に応じて、家屋調査を実施。自宅環境に合わせたプログラムの実施や、自宅改修のアドバイス等を行います。
  4. 当院での運動療法として、リハビリロボットの「Welwalk(ウェルウォーク)」を取り入れて行い、将来的に良い状態が長く続くことを目標に患者さんを支援します。
Welwalk(ウェルウォーク)の利用イメージ

Welwalk(ウェルウォーク)

トヨタ自動車が開発した歩行支援ロボット。歩行障害がある方に安全にかつ長距離の歩行練習が可能となり、歩行の改善につながります。

理学療法

筋力強化、柔軟性の改善、歩行時や動作時のバランスの改善を図り、転倒リスクの軽減を図ります。

プログラム例
ストレッチ(体幹・四肢)
筋力訓練
バランス訓練
姿勢調整(背中をそる、意識して動く)
歩行訓練(歩行時の視線、姿勢、足の着き方等)
動作訓練
Cue exercise(動くきっかけを提供して動きを改善する運動)
自主訓練(自宅内での訓練の継続)
LSVT BIG®

作業療法

家庭内での動作(食事・更衣・トイレ動作等)や、自宅の環境調整、家事支援等を行い、安全な日常生活動作をサポートします。

プログラム例
日常生活動作訓練(食事動作、更衣動作、トイレ動作等)
家事訓練(調理、洗濯、掃除等)
高次脳機能訓練(認知機能・遂行機能・注意能力)
LSVT BIG®

言語聴覚療法

発声や嚥下等の改善を支援。症状に合わせたコミュニケーション方法や食事指導・食形態の調整も含めてサポートします。

プログラム例
摂食、嚥下訓練
発声訓練
LSVT LOUD®

LSVT®とは

アメリカで開発されたパーキンソン病に対するトレーニング方法。認定資格を有するセラピストが実施

LSVT BIG®

体を大きく動かすことを意識するプログラムです。パーキンソン病の方は、体の動きが小さくなりがちなため、集中して大きな動きを行うことで、正常に近い動きを獲得していきます。(LSVT BIG®ライセンス認定者 5名在職)

特徴

  1. 色々な方向への大きな動作の運動
  2. 運動感覚のミスマッチを修正
  3. 意識的な努力と多数の頻度・反復を要する集中的なプログラム
  4. やる気をおこさせるように励まし、動機づけの声掛け
  5. 訓練課題として患者がしたいこと、困っていることに対象を集約

LSVT LOUD®

大きな声を出すことを意識するプログラムです。パーキンソン病の方は、会話する声が小さくなりがちなため、声を大きく出す習慣を身に着けて、日常会話の音声と発話の両方を改善していきます。(LSVT LOUD®ライセンス認定者 3名在職)

特徴

  1. 声量増大に効果を絞った練習
  2. 声量に対する自己の感覚の校正
  3. 最大努力での発話
  4. 日常会話への応用(般化)を行う

スケジュール(例)

1日3時間程度の活動が目標!
スケジュール表のイメージ

トレーニングは、日曜から土曜日まで毎日実施。ただし、当院ではリフレッシュ・自主訓練の定着を目的に外泊をお勧めしています。