病院長ごあいさつ
鳥取医療センターのホームページへアクセスして頂きありがとうございます。
令和3年10月1日に院長に就任いたしました髙橋浩士(たかはし ひろし)です。新任のご挨拶とともに、この場を借りて当院の紹介をさせていただきます。
鳥取医療センターは、全国に140ある病院ネットワークを擁する独立行政法人国立病院機構(NHO)の一施設です。鳥取市内の、東に日本一大きな池‘湖山池’、北に日本海を見下ろす絶好のロケーションにあり、敷地内には桜など多くの樹木の茂る、静かで自然に恵まれた環境で医療を提供させていただいております。
当院は、10個の病棟からなる499床を有し、鳥取県東部では二番目に大きい病院ですが、いわゆる総合病院のようにすべての診療科を備えてはおりません。その代わり、中国・四国地方の中でも脳神経内科、リハビリテーション科、精神科、小児(神経)科が特に充実した病院です。つまり子どもから大人まで脳と心の病気の診断・治療・ケアを最も得意とする病院です。
当院の提供する医療を、地域住民の皆様方の健康な生活を支える医療(地域医療)と難病や障害を持つ方々を治し支える専門医療(政策医療)に大きく分けて以下に説明します。
地域医療としましては、脳卒中や骨折後の回復期リハビリテーションと認知症の診療が挙げられます。
当院の回復期リハビリテーションの特長は50人を超えるリハビリスタッフが正月も含め365日通じてリハビリを提供し、在宅までフォローできることや、県内で当院だけにあるTOYOTAの開発したリハビリロボットを用いて重度の麻痺の治療にも効果をあげていることがあげられます。地域の急性期病院やかかりつけ医との連携を密に、皆様を地域で支えるべく貢献させていただいております。
認知症につきましては、もの忘れ外来を設置し、認知症の診断・治療を行うとともに、平成29年からは、認知症の人が一時的に精神症状の悪化した際(BPSD)に対応できる認知症治療病棟を開設し、認知症の人が‘住み慣れた地域で生きていける’ように入院治療を提供しております。
専門(政策)医療としましては、パーキンソン病やALSなどの神経難病の診断・治療・ケアや、重症心身障害の患者さんの入院医療並びに療育を行っております。
近年は、パーキンソン病に力を入れており、2020年11月に「パーキンソン病センター」を開設いたしました。パーキンソン病の早期診断(高齢者の100人に1人います)や投薬治療(さじ加減)に長けた脳神経内科専門医や薬剤師が多数いるのみならず、種々の相談に応じることのできるパーキンソン病認定看護師、生活を支えるソーシャルワーカー、そして他の施設にはないパーキンソン病に特化した高度専門リハビリテーション方法を習得した認定リハビリスタッフも多数おり、外来及び入院での医療提供しており、まさにあらゆる方面からパーキンソン病の患者の皆さんを支えております。
また、当院は以前より鳥取県から指定を受けた鳥取県東部の難病の診断・治療の中心となる病院でしたが、平成29年4月からは当院内に鳥取県難病相談・支援センター鳥取が設置され、難病患者の皆さんの相談・支援の中心的窓口となっております。
当院の精神科はうつ病、不眠症、アルコール依存症、統合失調症などの一般精神疾患の外来・入院診療のみならず、鳥取県の精神科救急医療機関に指定され、精神科の救急診療を担っています。公的精神病院として対応の難しい重症の患者さんの治療にも積極的に取り組んでいます。精神科リハビリテーション、在宅医療を充実させ、スタッフ一同、患者さんの社会経済活動への参加促進、社会的自立を援助しています。
当院の小児科も他の病院にはない特長があります。子どもの心の問題に関する支援医療機関になっており、子どもの‘脳’と‘心’を診るプロである小児神経科医が、乳幼児期の発達の遅れ、言葉や発音の問題、学校での学業や行動の問題、遺伝相談など、まさにエキスパートでなくてはできない診療を発達外来(予約制です)で行なっています。
新型コロナウイルス感染症が世界的に大流行しており、この難局において医療機関の役割は重要です。当院におきましても適切な感染防御策を行いながら、必要な医療提供を継続すべく努力しております。外来通院、入院患者の皆様並びにそのご家族様方におきましても感染対策上、ご不便をおかけしていることもあろうかと思いますが、これからも、地域の皆様の健康のためにお役に立てるよう、全職員が力を合わせ頑張ってまいりますので、引き続き皆様の温かいご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。
独立行政法人国立病院機構鳥取医療センター
院長 髙橋 浩士