リハビリテーション科
リハビリテーション科の役割
パーキンソン病になると体が動きにくくなったり、声が出しにくくなったりします。また、バランスの悪化により転倒する危険性も非常に高まります。しかし、リハビリテーションを行う事で、体の動きを良い状態に保つことが可能となり、歩行や動作時のバランスの改善を図り、転倒のリスクを軽減します。
また、嚥下機能の低下により、誤嚥する可能性が高まる事についても、嚥下状態の改善に向けたトレーニングを行い、また食形態の調整を図り、誤嚥を予防します。多職種のスタッフとともに患者様の状態に適した、トレーニングをすることで症状を軽減し、より快適な生活が送れるように支援します。
リハビリテーション科の特徴
特徴.01
比較的症状の軽い段階からそれぞれの状態や症状に合わせ、多職種でリハビリテーションを提供します。
特徴.02
パーキンソン病に特化したプログラムであるLSVT® BIG(有資格者5名)、LSVT® LOUD(有資格者3名)を中心にリハビリを実施しております。
特徴.03
必要に応じて、家屋調査を実施。自宅環境に合わせたプログラムの実施や、自宅改修のアドバイス等を行います。
特徴.04
当院での運動療法として、リハビリロボットの「Welwalk(ウェルウォーク)ww-1000®」を取り入れて行い、将来的に良い状態が長く続くことを目標に患者様を支援します

◀︎ Welwalk(ウェルウォーク)ww-1000®
トヨタ自動車が開発した歩行支援ロボット。歩行障害がある方に安全にかつ長距離の歩行練習が可能となり、歩行の改善につながります。
LSVT®とは?
アメリカで開発されたパーキンソン病に対するトレーニング方法で、日本では2010年頃から行われるようになっています。認定資格を有するセラピストが実施。
LSVT® BIG/ライセンス認定者5名在職
体を大きく動かすことを意識するプログラムです。パーキンソン病の方は、体の動きが小さくなりがちなため、集中して大きな動きを行うことで、正常に近い動きを獲得していきます。
色々な方向への大きな動作の運動
運動感覚のミスマッチを修正
意識的な努力と多数の頻度・反復を要する集中的なプログラム
やる気をおこさせるように励まし、動機づけの声掛け
訓練課題として患者がしたいこと、困っていることに対象を集約
LSVT® LOUD/ライセンス認定者3名在職
大きな声を出すことを意識するプログラムです。パーキンソン病の方は、会話する声が小さくなりがちなため、声を大きく出す習慣を身に着けて、日常会話の音声と発話の両方を改善していきます。
声量増大に効果を絞った練習
声量に対する自己の感覚の校正
最大努力での発話
日常会話への応用(般化)を行う
各種サポート
各種療法のプログラム例については、個別性に合わせた各療法を組み合わせ実施します。
理学療法
筋力強化、柔軟性の改善、歩行時や動作時のバランスの改善を図り、転倒リスクの軽減を図ります。
ストレッチ | 体幹・四肢 |
筋力訓練 | ー |
バランス訓練 | ー |
姿勢調整 | 背中をそる、意識して動く |
歩行訓練 | 歩行時の視線、姿勢、足の着き方等 |
動作訓練 | ー |
Cue exercise | 動くきっかけを提供して動きを改善する運動 |
自主訓練 | 自宅内での訓練の継続 |
LSVT® BIG | ー |
作業療法
家庭内での動作(食事・更衣・トイレ動作等)や、自宅の環境調整、家事支援等を行い、安全な日常生活動作をサポートします。
日常生活動作訓練 | 食事動作、更衣動作、トイレ動作等 |
家事訓練 | 調理、洗濯、掃除等 |
高次脳機能訓練 | 遂行機能・注意機能・ワーキングメモリ |
LSVT® BIG | ー |
言語聴覚療法
発声や嚥下等の改善を支援。症状に合わせたコミュニケーション方法や食事指導・食形態の調整も含めてサポートします。
摂食、嚥下訓練 | ー |
発声訓練 | ー |
LSVT® LOUD | ー |
プログラム例
