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臨床研究部概要

発足までの経過

当医療センター臨床研究部は、平成17年7月1日に精神科主体の国立病院機構鳥取病院と、神経内科、重症心身障害児(者)および結核の診療が主体の国立病院機構西鳥取病院が統合して正式に誕生しました。

しかしながら、西鳥取病院には平成16年4月1日から院内標榜ではありますが、臨床研究部が2部門ですでに発足していました。つまり、脳脊髄系統変性・神経筋疾患・認知症・高次脳機能研究室と先天性および周生期脳障害・脳発達研究室の2部門でした。

その発足に際し、ドイツ、ハノーファHannover大学神経病理研究所から、臨床研究部責任者として堀映教授が招聘されました。それと共に、現在の臨床研究部長で、国立精神・神経センター神経研究所や米国のシカゴ大およびアリゾナ州Sun CityにあるSun Health Research Instituteなどで神経科学研究に15年間従事して来ていた小西吉裕が美作大学(津山市)から呼ばれ、鳥取病院精神科の助川鶴平医長(当時)および西鳥取病院小児科の赤星進二郎医長の協力により、今の臨床研究部の土台が作り上げられました。

 

初代部長時代

統合時から平成19年9月30日までは、公募によって選出された助川鶴平 現副院長が部長を務め、全スタッフは臨床をやりながらの兼任の状況で、助川鶴平 部長主導のもと、治験を推進するとともに、5部門にて臨床研究を開始しました。
5部門とは、
(1) 心理社会精神医学研究室(精神障害の方の心理教育的アプローチ、高田耕吉 室長)
(2) 生理学研究室(睡眠研究、坂本泉 室長)
(3) 薬理学研究室(統合失調症の薬物療法、助川鶴平 室長)
(4) 脳発達研究室(重症心身障害児での変性・代謝性疾患の原因究明、赤星進二郎 室長)
(5) 老化性変性性脳疾患研究室(アルツハイマー病発症の分子病態解明、小西吉裕 室長)
でありました

 

二代目部長時代

小西部長

助川部長が副院長となり、部長を公募した結果、平成19年10月1日に、小西が部長を拝命しました。 
臨床研究部は、臨床研究に主体を置き、精神疾患並びに神経・筋疾患、呼吸器疾患、重症心身障害およびその他の疾患に関する病因の解明、診断治療法の開発のほか、罹患患者の医療・福祉に関し幅広い研究を行うものです。臨床研究部は、臨床部門と密接に連携協力し、総合的な臨床研究を推進することによって地域の医療・福祉の向上に資する使命があります。

また、何よりも、国立病院機構が全体で強力に推進する医薬品などの臨床試験に関する研究およびその管理を行う重要な責務があります。 具体的には、臨床研究部規程を改正して非常勤職員も含めて全職員が臨床研究部の設備、場所、研究費を使用して研究ができる体制としました。さらに院内研究発表会を年1回開催し、また当医療センターが編集して学術雑誌を発行にすることにより、全職員の臨床研究熱を高める工夫をしました。これがひいては、活発な治験遂行に繋がるものと期待しています。また、歴史ある看護研究会を臨床研究部活動の重要な1つと位置づけ、看護研究会とともに臨床研究部活動を行うことにしました。

研究室の大改編

臨床研究部規程では、研究活動実績により、正式な研究室は2年毎に、院内標榜研究室および部門は毎年見直しをするとしており、それに則り、平成20年度から研究室構成を大改編し、さらに23年7月より再び大きな修正を加え、現在、以下のような研究室構成となっています。正式な研究室は(1)から(5)までですが、院内標榜として、(6)、(7)を加え、それらの下に副部門を幾つか設けました。全職員が一丸となって、臨床研究や治験に取り組み、医学の発展および地域の医療や福祉の充実に寄与したいと思います。

  1. 治験管理室 (室長:小西吉裕 臨床研究部長)
    精神科部門 (副室長:助川鶴平 副院長)
  2. 生理学研究室 (室長:欠)
  3. 薬理学研究室 (室長:助川鶴平 副院長、副室長:欠)
  4. 難治性脳疾患研究室 (室長:小西吉裕 臨床研究部長)
    アルツハイマー病研究部門 (副室長:欠)
    ブレインバンク部門 (副室長:小西吉裕 臨床研究部長)
    客員研究員
    • 堀 映 (福祉村病院長寿医学研究所名誉所長、ハノーバー医科大学終身教授)
    • 赤津裕康 (名古屋市立大学特任教授)
    • 植田俊幸 (鳥取県立精神保健福祉センター)
    • 三島香津子 (鳥取大学保健管理センター 脳神経内科医)
    • 小枝達也 (鳥取大学地域学部教授)
    • 関あゆみ (鳥取大学地域学部准教授)
    • 内山仁志 (国際医療福祉大学准教授)
    • 田中大介 (鳥取大学地域学部助教)
  5. 脳発達研究室 (室長:高橋浩士 診療部長)
  6. 総合臨床研究室
    • 看護研究部門 (副室長:元林千代子 副看護部長)
    • 精神科医療研究部門 (副室長:欠)
    • ICT研究部門 (副室長:井上一彦 統括診療部長、森原賀都子 副看護師長)
    • NST研究部門 (副室長:欠)
    • 褥瘡研究部門 (副室長:欠)
    • 臨床検査研究部門 (副室長:高橋仁司 臨床検査技師長)
  7. リハビリテーション研究室 (室長:齋藤 潤 診療部長)
    • PT部門 (副室長:野崎 心 理学療法士長(機能訓練室長))
    • OT部門 (副室長:村山大佑 作業療法士長)
    • ST部門 (副室長:森田 愛 主任言語聴覚士)

研究室の再編成

臨床研究部規程では、研究活動実績により正式な研究室は2年毎に、院内標榜研究室および部門は毎年見直しをするとしておりました。それに則り、平成30年度から研究室構成を以下のように致しました。院内標榜研究室はあえて設けず、臨床研究部長および難治性脳疾患研究室スタッフが、全面的に、コメデイカルの研究を支援する形としました。全職員が益々一丸となって、臨床研究や治験に取り組み、医学全般の発展をはじめ、国立病院機構全体の発展、および地域の医療や福祉の充実に寄与したいと思います。

  1. 治験管理室 (室長:小西吉裕 臨床研究部長)
    精神科部門 (副室長:助川鶴平 副院長)
    神経内科部門 (副室長:小西吉裕 臨床研究部長)
  2. 生理学研究室 (室長:欠)
  3. 薬理学研究室 (室長:助川鶴平 副院長、副室長:欠)
  4. 難治性脳疾患研究室 (室長:小西吉裕 臨床研究部長)
    アルツハイマー病研究部門 (副室長:欠)
    ブレインバンク部門 (副室長:小西吉裕 臨床研究部長)
    客員研究員
    • 堀 映 (福祉村病院長寿医学研究所名誉所長、ハノーバー医科大学終身教授)
    • 赤津裕康 (名古屋市立大学特任教授)
    • 植田俊幸 (鳥取県立精神保健福祉センター)
    • 三島香津子 (鳥取大学保健管理センター 脳神経内科医)
    • 小枝達也 (国立成育医療センターこころの診療部長)
    • 内山仁志 (国際医療福祉大学准教授)
    • 谷中久和 (鳥取大学地域学部助教)
  5. 脳発達研究室 (室長:高橋浩士 統括診療部長)

臨床研究部設置機器

共焦点レーザー顕微鏡
共焦点レーザー顕微鏡

リアルタイム遺伝子増幅装置
リアルタイム遺伝子増幅装置

リアル・タイムPCR遺伝子増幅装置、
共焦点レーザー顕微鏡、
蛍光顕微鏡、
位相差顕微鏡、
酸素濃度可変式炭酸ガス・インキュベータ、
安全キャビネット、
ドラフト、
遠心式凍結乾燥機、
超高速冷却式微量遠心機、
冷却遠心機、
分光光度計、
吸光度・発光・蛍光マルチプレートリーダー、
蛍光・発光イメージアナライザー、
Nucleofector遺伝子導入装置、
二次元電気泳動装置、
-80度冷凍庫、
凍結ミクロトーム

 


ほぼ全ての生化学的、分子生物学的、形態学的、臨床検査学的な研究ができるように設備を整えました。

炭酸ガス・インキュベーターは3台が稼動し、大腸菌培養設備もあります。院内のどの職種でも、非常勤であろうと、また所定の手続きをして頂ければ院外の方でも(実際におられます)、当臨床研究部の場所、人、機器を使って頂いて、臨床研究が可能です。そのようなお考えのある方は歓迎致しますので、是非、当臨床研究部室をお尋ね下さい。鳥取東部地域の臨床研究の発展に寄与できればと思います。