嚥下障害
担当医師
氏名 | 役職 | 専門医・指導医・学位・所属学会 | 専門分野 |
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金藤 大三 | 非常勤医師 |
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嚥下障害について
現状
食べることは生きるための栄養を補給し生命を維持することです。しかし食べることは単に栄養補給だけのことではありません。生きる意味、生活の質とも根源的に関わることだと言えます。 高齢者の増加、医療の進歩と共に嚥下障害を持つ患者さんが増え、それに対する治療法も進歩してきています。
症状
気管に間違って食べ物や水分が入ることを誤嚥といいますが、誤嚥すれば必ず咳き込んでむせるわけではありません。咳すら起きない”むせのない誤嚥”の方が注意が必要です。 嚥下障害を疑わせる症状として、むせ、飲み込みにくいこと以外にもいろいろあります。たとえば
- 食事時間が長くなる
- 食べることに疲労して食べるのがいやになる
- 汁物やぱさぱさしたものを食べなくなった
- 口からこぼれる
- 口の中が汚れている
- のどの奥に違和感がある (7)食べた後のがらがら声
- 痰の量が増え、熱が出やすい、などです。
思い当たる点はありませんか?
嚥下障害が疑われたら診察と検査をして原因と治療法、訓練法を考えます。
原因
嚥下障害の原因は脳卒中によるのどの麻痺が最もよく見られますが、もちろんそれ以外にも原因はいろいろあります。
痴呆では食べ物を十分認識できなかったり、飲み方が下手になる(嚥下失行)ときもあります。
検査
検査には水飲みテストやVF検査といってレントゲン透視下で食べてもらい一連の飲み込み動作を観察し、誤嚥の有無、苦手の食べ物、食べやすい姿勢などを調べる検査があります。
治療
つぎに回復する可能性、自然回復する可能性、認知能力、重症度などを考え訓練計画を練ります。
たとえば、早期の自然回復が見込める脳卒中で軽い発作の場合、食べ物の形態、食べさせ方を工夫して回復を待ち、回復の程度を見て積極的な訓練を加えていきます。
徐々に進行していく疾患では筋があまり疲労しないように軽い訓練を長期にわたって行います。
重症の嚥下訓練の場合は訓練中に誤嚥しないように食物を使わない訓練を行います。食物を使わない訓練でも続けると次第に脳が活性化し食べられるようになることも経験します。
”今食べられないから””また食べさせたら熱が出たから”と言って、もう食べられない分けてはありません。もちろん漫然と安全面を考慮せずに食べさせては危険に陥れることになります。症状にあわせて食事形態、食事姿勢を調整し、嚥下訓練をすれば食べられるようになった人も沢山います。
思い当たる方は、一度脳神経内科にご相談下さい。